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90歳の判断 不動産の相続相談2023年05月02日近頃は相談者・依頼者の中に年齢が90代の方がいらっしゃるようになりました。高齢化社会を実感します。一人暮らしも方もおり、ひとりで身の回りのことをなされています。会話もしっかりしています。
そのような方の相談のひとつに、相続対策があります。たいてい
①認知症などにより判断能力が衰えた場合
②本人が亡くなって相続が発生した場合
に分けて対策を考えます。
①については、主に「本人の財産管理を誰がどのように行うか」と「病院に入院したり、 施設に入所した時に誰が身元引受人になるか」を検討します。お願いできる信頼する家族・親族がいればよいのですが、適当な人がいない場合も結構あります。また、一部は親族に頼めるけれど全部頼むことは難しいということもあります。そのような時には、「誰に頼むのか」「どのようなことを頼むのか」をより具体的に細かく検討する必要があります。
②の相続後の対策についても、「葬儀・納骨を誰にどのように頼むのか」「自分の財産を 誰にどのように残すのか」を検討しなければなりません。
90歳代で日常生活は支障なく送っている方でも、上記のようなことがらを検討するのはかなり大変だというのが私の実感です。特に、子供がいらっしゃらない方は、検討事項が多く、苦労する場合があります。
私たちサポート役は、一緒に相談して進めることはできますが、最終的な判断は本人にしていただかなくてはなりません。あれこれ情報を提供したり提案しても、なかなか判断がつかないことが多くあります。背中を押してくれる親族がいない場合はなおさらです。
このような経験から、相続対策は少し早いかなと感じる時期から始めるのが良いと思いました。人にもよりますが、高齢になってから重要事項の判断を求められることはストレスがかかり、つらいと感じることだと思います。場合によっては、とても重要なことなのに検討するのをあきらめてしまう人もいます。
ぜひ、早めに相続対策を考えましょう。
田 中 裕 志