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「お困り不動産」の行方
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不動産の相続相談2025年01月23日「親から不動産(土地・建物)を相続したが、どうしてよいかわからない」
こんな相談が多くなってきました。なかなか難しい問題ですが、事前の準備と方向性の整理が重要です。
引き受けたくない不動産がある場合、まず思い浮かぶのは「相続放棄」です。相続開始(本人の死去)を知った時から3ケ月以内に家庭裁判所に申述(申出)することによって、相続放棄が受理されます。ただし、この相続放棄の効果が、「プラスの財産もマイナスの財産も一切引き受けない」というものなので、自宅や預貯金などほかに引き受ける財産がある場合には、相続放棄は難しそうです。
そこで、他の財産とともに不要な不動産(いわゆる「負動産」)を引き継がなければならない時にはどうすればよいでしょう?
まずは、オーソドックスな方法として、地域の不動産会社に査定を依頼するやり方があります。その土地建物について調べてもらって、「売却できる可能性はどれくらいあるのか?」「そのために整えなくてはならない条件にはどのようなものがあるか?」「売れるとすれば、どのくらいの金額になりそうか?」などを知ることができます。
「査定書」という書類を提示されることが多いと思います。次の段階としては、「いつ売りに出すか」を決めることです。自分にとっては不要な土地建物でも、金額等によっては買いたいと考える人がいるかもしれません。例えば、隣地の所有者です。
その他の方法としては、買取専門業者に引き取ってもらう、個人間の売買サイトで買い手を見つける、国に引き取ってもらう(相続土地国庫帰属制度)などが考えられます。いずれも要件や手順がありますので、各種専門家(不動産業者、司法書士等)に相談されることをお勧めします。
不動産はうまく活用しないと、経費がかかり、場合によっては近隣とのトラブルにも発展しかねません。昨年4月には、相続登記が義務化となり、3年以内に登記を行わないと10万円以下の過料が科されることがあります。
不動産は適切に管理を行い、残して活用するものと処分するものに分けることが大切だと思います。
司法書士法人あい事務所 田中 裕志
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土地を国に納める
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不動産の相続相談2024年10月10日「相続土地国庫帰属制度」をご存じでしょうか?
昨年(令和5年)4月にこの法律が施行されました。
漢字がずらりと並んでイメージしずらいかもしれませんが、分解して意味を考えるとわかりやすと思います。「相続によって引き受けた土地を国(国庫)に納める(帰属させる)制度」という意味かと思います。
この制度ができた背景としては、土地利用ニーズの低下により、相続したものの土地を手放したいと考えている方が増加していることがあるようです。そのような土地が管理されずに放置されれば、雑草や積雪等により近隣に迷惑がかかり、それが広がれば社会問題になります。このような状態を解消するために、一定の要件のもとに国に土地を引き受けてもらう制度ができました。
この制度の誤解されやすい点は、「国に土地を売却する手続きではない」ということです。つまり、土地を手放す代わりにお金をもらえるわけではありません。逆にお金を支払わなければなりません。具体的には、①審査手数料として、申請時に1筆14,000円かかります(土地は、地番ごとに「1筆、2筆・・・」と数えます)。それに加えて、国庫帰属が承認された場合には、②負担金として、「10年分の管理費相当額」を支払う必要があります。具体的金額は法務局から提示されますが、地目(土地の種類:宅地、山林、農地など)ごとに基準、計算式があります。例えば、宅地の場合、原則1筆20万円ですが、例外もあり金額はかなり幅がありそうです。
金銭負担のほかに、土地を国に帰属するためのいくつかの要件があります。ここですべてを紹介することはできないので、主なものを記します。申請後に書類審査や現場調査で確認されることになります。
まずは、相続または遺贈によって取得した土地であることです。遺贈とは、遺言によって財産を処分することをいいます。
土地の要件としては、建物が建っている土地、抵当権等の担保権が付いている土地、境界が明らかではない土地は申請できません。その他、一定の崖地、地中に廃棄物などがある土地は、国庫帰属が承認されない可能性があります。
ここで、「お金を支払ってまで土地を国に納めることを望む人がいるのか?」という疑問が湧くかもしれません。当初、私もその点について懸念していましたが、相談件数は意外に多く、実際に手続きを引き受けているケースもあります。
「子供の世代に負担を残したくない」との思いで、「多少お金がかかっても、きちんとしたい」と考える方がいらっしゃいます。
相続で土地を引き受けない方法として、裁判所に相続放棄の手続きを行うことが考えられますが、この場合には自宅や金銭を含むすべての財産を引き継げないことになってしまいます。そこで、いったん引き受けて、売却等処分ができない土地を最後の手段として国に帰属させる制度を選択するケースがあります。
そのような意味では、大きな選択肢がひとつ増えたと言えるのではないかと思います。
司法書士法人あい事務所 田中 裕志
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相続登記義務化
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不動産の相続相談2024年05月07日今年4月から、相続登記が義務化となりました。私どものところにもたくさんのお問い合わせ、相談をいただいています。
ここでは、①相続登記義務化の内容と ②それに対する対策についてお話ししたいと思います。
まず、①相続登記義務化の内容について説明します。
この義務化の背景ですが、いままでは相続登記は義務ではなく、してもしなくてもよい任意でした。その結果、日本全国のうち九州の面積相当の土地が相続登記していないのではないかと言われています。相続登記をしないとその土地建物の所有者が不明確になり、民間同士の売買や公共用地の為の買収(道路を作る等)がとても困難になります。所有者を特定するのに時間と労力がかかり、所有者(登記名義人の相続人)全員から売買等の承諾を得なければならないからです。そうした状況を解消するために、相続登記が義務となったと思われます。
今年4月以降に亡くなった人を対象とするのではなく、それ以前に亡くなって相続登記を行っていない人もこの義務化の対象となります。以前に亡くなった人の場合には、原則、令和6年4月1日から3年間のあいだに(令和9年3月31日まで)相続登記を行わなければなりません。4月以降に亡くなった人の場合には、不動産を取得(相続)したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をする必要があります。
正当な理由なく相続登記の申請をしない場合には、10万円以下の過料の適用対象となります。
では、3年以内に遺産分割協議(相続人全員で、だれがどの不動産を取得するか合意すること)が困難な場合にはどうすればよいでしょうか?その場合には、新たに「相続人申告登記」という制度ができたので、その申告登記の申出(簡易な義務履行の手続き)を法務局に行うことにより、一応相続登記の義務を免れます。
次に、②相続登記義務化に対する対策です。
はじめに行うべきことは、「不動産(土地建物)名義が誰になっているか確認すること」です。市町村から「名寄帳」や「固定資産登録(搭載)事項証明書」を発行してもらって、法務局でその不動産の登記事項証明書を取得して確認することができます。それにより、「どの不動産を所有しているのか」「それは誰の名義になっているのか」を知ることができます。道路や山林など共有(共同所有)となっている不動産もあるので注意が必要です。
調べた不動産がどこにあるのかわからない場合には、住宅地図や公図(法務局で取得できます)、航空写真などで特定することができる可能性が高くなります。それでもわからない場合には、土地家屋調査士に相談してみると良いでしょう。
また、これを機会に不動産を「残す不動産」と「手放す(処分する)不動産」に整理してはいかがでしょう。不動産は、場合によっては実質マイナス資産となる「負動産」となってしまう可能性があります。こちらは、信頼できる不動産業者に相談するのが良いと思います。
司法書士法人あい事務所 田中 裕志
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自分の「財産」を把握していますか?
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不動産の相続相談2023年09月25日親族が亡くなって相続手続の相談に来られる方に必ず聞くのは、次の2点です。
1・誰が相続の権利を引き継ぐ相続人か
2・亡くなった方の財産(遺産)はどのようなものがあるか
今回は、財産の話をします。
親が亡くなった場合、その親の財産を子供が把握していないことが結構あります。別々に暮らしているとわからないのが普通でしょう。同居していたとしても、管理は自分で行っていて、子供にもその中身を知らせない方が多いかもしれません。
そのような場合であっても、財産の内容をメモに一覧にするとか、通帳その他を1か所にまとめてわかりやすいようにしていただくことをお勧めします。
財産の内容がわからないと、相続手続に支障が出る場合があります。相続税の申告が必要かどうかは財産の金額によります。相続人間で遺産分割協議(誰がどの財産を引き継ぐか)を行う場合にも、財産が特定できないと話し合いのしようがありません。
また、マイナスの財産(借金や保証人)も相続人に引き継がれるので、それを回避したい場合には、一定期間(3ケ月)以内に家庭裁判所に相続放棄手続きをしなければなりません。借金がある場合や保証人になっている場合は、必ずそれがわかるようにしてください。
そもそも自分の財産を把握していない方がいらっしゃいます。自宅の土地建物の名義が誰のものか、自分はどこの金融機関に口座を持っているのか、保険はどの会社に加入しているのか、証券会社の口座はあるか、など一度メモにしてみると良いと思います。一定期間ごとに金融機関からお便りが届く場合もあるので、参考になります。
相続手続きには、相続放棄(3ケ月)や相続税申告(10か月)のように期限のある手続きがあります。スムーズに進められるように、財産の把握をしておきましょう。
司法書士法人あい事務所 田 中 裕 志
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90歳の判断
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不動産の相続相談2023年05月02日近頃は相談者・依頼者の中に年齢が90代の方がいらっしゃるようになりました。高齢化社会を実感します。一人暮らしも方もおり、ひとりで身の回りのことをなされています。会話もしっかりしています。
そのような方の相談のひとつに、相続対策があります。たいてい
①認知症などにより判断能力が衰えた場合
②本人が亡くなって相続が発生した場合
に分けて対策を考えます。
①については、主に「本人の財産管理を誰がどのように行うか」と「病院に入院したり、 施設に入所した時に誰が身元引受人になるか」を検討します。お願いできる信頼する家族・親族がいればよいのですが、適当な人がいない場合も結構あります。また、一部は親族に頼めるけれど全部頼むことは難しいということもあります。そのような時には、「誰に頼むのか」「どのようなことを頼むのか」をより具体的に細かく検討する必要があります。
②の相続後の対策についても、「葬儀・納骨を誰にどのように頼むのか」「自分の財産を 誰にどのように残すのか」を検討しなければなりません。
90歳代で日常生活は支障なく送っている方でも、上記のようなことがらを検討するのはかなり大変だというのが私の実感です。特に、子供がいらっしゃらない方は、検討事項が多く、苦労する場合があります。
私たちサポート役は、一緒に相談して進めることはできますが、最終的な判断は本人にしていただかなくてはなりません。あれこれ情報を提供したり提案しても、なかなか判断がつかないことが多くあります。背中を押してくれる親族がいない場合はなおさらです。
このような経験から、相続対策は少し早いかなと感じる時期から始めるのが良いと思いました。人にもよりますが、高齢になってから重要事項の判断を求められることはストレスがかかり、つらいと感じることだと思います。場合によっては、とても重要なことなのに検討するのをあきらめてしまう人もいます。
ぜひ、早めに相続対策を考えましょう。
田 中 裕 志
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印鑑登録はしていますか?
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不動産の相続相談2023年01月07日相続手続きを行っていくなかで、よく使われるのが「印鑑証明書」です。
誰の印鑑証明書が必要かというと法定相続人全員の印鑑証明書です。ポイントは「全員」です。なぜならば、相続が開始して遺産分割協議(だれがどの財産を引き受けるかの話し合い)は相続人全員で行わなければならないからです。遺産分割協議書の真正を担保する資料として印鑑証明書の提出が要求されます。当然、遺産分割協議書には各自が実印を押印しなければなりません。押してある印鑑と印鑑証明書の陰影を照合することによって「実印が押してある」ことがわかるわけです。
ふだん実印とか印鑑証明書を扱っている人にとっては上記のことは「何を当たり前のことを!」思うかもしれませんが、そうでない人にとっては「印鑑登録?」「なんだっけ、それ?」という感覚だと思います。「20年前に1回使ったけど、そのあとどうしたかな?」なんてことは珍しくありません。
印鑑証明書と実印がないと進まない手続きがあります。印鑑証明書を市町村役場で取得するには「印鑑カード」の提示が必要です。つまり、印鑑カードと実印をきちんと保管していないと手続きが進まなくなってしまうのです。
家じゅう探してもらうこともあります。それでも見つからなければ、市町村役場で再度登録を行っていただきます(もちろん、印鑑登録をしていない人は新規に登録をする必要があります)。
現在は高齢化社会です。高齢で亡くなった方の配偶者も高齢です。その方が印鑑の登録や再登録を行うのは労力がかかるし、場合によっては難しいこともあります。登録の窓口では、その方の本人確認や意思確認を行います。高齢で認知能力が低下している場合には、受け答えがうまくできず印鑑登録ができない場合もあります(印鑑証明は重要な手続きや高額な財産処分の時に使われるので、その登録には判断能力が必要となります)。
どうしても印鑑登録できない場合には、成年後見制度を活用することが検討されます(判断能力に支障があるとき)。この制度は家庭裁判所を通じて行われ、通常数か月の時間を要します。その他にも気にしなければならない事項があり、慎重に検討する必要があります。
元気なうちから印鑑登録と印鑑カード・実印の保管をしておきましょう。
田 中 裕 志
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相続登記は速やかにやっておこう!
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不動産の相続相談2021年12月20日自宅などの不動産の所有権登記名義人が亡くなった場合に、相続登記(名義変更)を行います。現在は相続登記については義務ではないので、「いつまでに登記しなければならない」ということはありません(この点については、法律が改正され将来は義務化されるようです)。
日常生活においても、相続登記を行わないことによる不都合を感じないこともあり、ついついそのままになってしまうこともあるかもしれません。
しかし、世代を超えて相続登記を行わないと思いもよらぬ不利益が親族に及ぶことがあります。
例えば、実家を兄弟が継いでおりその方が借金を残して亡くなった場合、その方に子どもがなく両親がすでに亡くなっているときには、その方の兄弟姉妹が相続人になります。亡くなった方の借金を引き継ぎたくない場合には、相続放棄を行うとプラスの財産もマイナスの財産も承継しないことになります。
しかし、実家の土地建物の名義がその兄弟姉妹の(亡)父親となっていた場合(つまり、相続登記を行っていなかった場合)、土地建物については放棄することができません。あくまで相続放棄は、今回亡くなった方(兄弟)についてであり、亡父についてのものではないからです。
そうすると、他の兄弟姉妹は土地建物について共有しているものとされ、固定資産税の納付義務や土地建物の管理義務、将来の建物解体義務を負うことになります。
上記の場合、父親が亡くなって速やかに相続登記していればこのような事態にはならずに、相続放棄によって納付義務や解体義務はまぬかれることができました(管理義務については、別途規定があります)。
ぜひ、相続登記は速やかに行いましょう。
田 中 裕 志
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相続で揉めないための基本
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不動産の相続相談2021年09月27日長年相続に関わる仕事をしていて近頃感じるのは、「揉める相続」が多くなってきたことです。
真っ向から主張や感情が対立するケースもありますが、それよりもいわゆる「ちょい揉め」のケースが目立ちます。相続財産の把握や手続きの進め方の行き違いであったりします。
これらの原因の一つに、親族間の関係性の希薄化が挙げられるのではないかと思います。普段から親や兄弟と密なコミュニケーションをとっていれば揉めないのではないかと感じることがあります。
相続手続きにおいては、遺言があるかどうかが最初のポイントとなります。法的に有効な遺言があれば、原則として遺言書の内容にしたがって遺言執行者が遺産(相続財産)を分配します。
遺言がない場合には、相続人全員での遺産分割協議(遺産を誰がどのように引き継ぐかの話し合い)をしなければなりません。遺産分割協議のポイントは①相続人全員で行わなければならないこと、②「誰がどの財産を引き継ぐのか」相続人全員一致で決めなければならないことです。
仮に遺産分割協議が整わないとき(相続人全員で話し合いができないとき、話し合いができても意見が一致しないとき)は、裁判所での調停により解決することになります。これは解決方法の有力な手段ではありますが、時間も労力もかかり、親族間の感情的対立も深まることもあるので、なるべく避けたいものです。
このような相続手続きの手順を頭に入れて、遺言の作成を検討したほうがよい場合があります。
一般的には下記のような方は遺言作成の必要性が高いと言えます。
・複数回結婚している方
・子供がいない方
・特定の財産を特定の方に残したい方(事業や農業の後継者に対して)
・親族間のコミュニケーションに不安がある方
・親族に障害がある方や行方不明者がいる方
田 中 裕 志
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子どもがいない方は要注意!
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不動産の相続相談2021年09月18日財産の相続は法的には人が亡くなった瞬間に開始します。つまり、亡くなった方の財産が相続人に引き継がれます。
では、誰が相続人になるでしょうか?
第1順位は、配偶者(夫・妻)と直系卑属(原則、子ども)です。直系卑属がいない場合、第2順位は配偶者と(亡くなった方の)直系尊属(原則、両親)です。直系尊属が亡くなっている場合には、第3順位として配偶者と(亡くなった方の)兄弟姉妹です。兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合には、その子が相続人となります。
ですから、子どもがいない方が亡くなった場合には、兄弟姉妹や甥・姪が相続人になる場合が多いです。
遺産分割協議(遺産分配の話し合い)は相続人の全員一致が必要です。しかし、この場合には人数が多くなることもあり関係も遠いため、なかなか話し合いが進まないことがあります。
同じ兄弟でも故人との関係に濃淡がある場合(老後の面倒を見た、お葬式を出した等)には、平等に分けることが不合理と感じられることもあるでしょう。
協議が整わない場合には、裁判所での調停による解決方法がありますが、時間と手間がかかります。場合によれば、親戚間の感情的な対立に発展することもあります。
このような不具合を解消する手段として、「遺言」を残す方法が考えられます。有効な遺言により遺産分割協議が不要となり、故人の遺志が実現されます。なお、兄弟姉妹には「遺留分」(相続人が主張できる権利)はありません。
子どもがいない方は、財産の多寡にかかわらず遺言作成の検討をお勧めします。
田 中 裕 志
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相続放棄と遺産分割協議
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不動産の相続相談2021年03月27日相続の仕事をしていて誤解が多いと感じるのは「相続放棄」です。この言葉の思い違いがのちに大変な事態を招くことがありますので注意が必要です。
よく相談者や依頼者から「相続放棄をした」「財産放棄をした」と聞くことがあります。よくよく話を聞いてみると、例えば実家をついでいる兄から「放棄してくれ」と言われて書類に実印を押して印鑑証明書を渡した、という場合です。
これは、法的には遺産分割協議という手続きです。法的な相続放棄とは、相続があったことを知ってから3ケ月以内に家庭裁判所に申述(申立)することによって行うものです。
上記の遺産分割協議と相続放棄は、特定の相続人が土地建物や預貯金などの遺産を引き継がないという点では共通しています。
しかし、違いが出るのは、債務(借金や保証人の立場など)の取り扱いです。亡くなった方に借金があった場合、相続人の間で「借金は〇〇が相続する」と決めても(遺産分割協議しても)、銀行等の貸主には主張することができません。プラスの財産を相続しなくても、法定相続分に応じて借金を負担しなければならない立場におかれます。
プラスの財産を引き継がずマイナスの財産も引き継ぎたくない場合には、遺産分割協議ではなくて相続放棄の手続きをすべきです。
私の知り合いにも、この違いを認識していなかったばかりに借金を相続することになった人がいました。
なお、相続放棄ができる3ケ月の期間内でも、亡くなった方の財産を「処分」してしまうと相続放棄できなくなってしまいます。
また、相続開始後数年たって発覚した借金を背負う場合もあります。
家族・親戚に相続が起こった場合には、相続放棄を念頭に置いて慎重に検討することをお勧めします。
田 中 裕 志
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実家を相続する場合の注意点(活用方法)
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不動産の相続相談2021年02月06日親が亡くなって空き家になった実家を相続する場合、その土地建物をどのように使うのかを検討しなければなりません。
大きく分けて、①住む ②貸す ③売る ④空き家で管理する の4つに分けられると思います。
まず、相続した実家(土地建物)の所有者となった場合、負担や責任が発生することを知っておきましょう。所有者として、使ったり、貸したり、処分したり自由にできる反面、固定資産税や火災保険の費用がかかり、近所の方や通行者等に迷惑をかけないように管理する責任が生じます。例えば、冬期に雪かきをする、雑草を刈る、戸締りをきちんとする、玄関や窓を修繕するなどです。
活用方法のうち、①自分で住む場合はわかりやすいです。親と同じように自分の自宅にする方法です。
家族が生活しやすいように使うことは、他人に迷惑がかからない限り原則自由にできます。ただし、大規模なリフォーム等は役所に申請するなど一定の手続きが必要になります。建築士に相談するとよいでしょう。
②貸す場合には、ある程度のリフォームが必要となる場合があります。自分が借りる立場だったらなるべくきれいで使い勝手がよい家に住みたいですよね。「賃料をいくらにするか」「そもそも借りる人が現れるのか」等疑問が出てくると思います。不動産業者のアドバイスが参考になります。依頼すれば、借主を探す活動をしてくれます。
次に③売る場合です。
不動産業者に「いくらで売れそうか」査定をしてもらうことをお勧めします。査定金額を参考にして「いくらで売りに出すか」を決めます。売る方法としては、世の中に公開して買主を募る方法と不動産業者に買ってもらう方法があります。それぞれメリット・デメリットがあります。よく説明してもらって納得することが大切です。
最後に④空き家のまま管理する方法。これは、所有者としての負担や責任が生じる一方、収入や積極的な活用が見込めないので、なるべく短い期間にとどめることをお勧めします。空き家が長いと建物の劣化も早いようです。
田 中 裕 志
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親が亡くなった 実家が残った まず何をすべき?
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不動産の相続相談2021年01月24日親が亡くなって、実家が空き家になったという相談をよく受けます。何をしなければならないでしょうか?
まず現状認識ですが、土地建物の所有者(名義人)が亡くなるとその瞬間所有権は相続人(子供たち)に移り共有状態となります。ですので、子供は、土地建物の所有者(共有者)として管理責任を負います。
それを前提に、後日、相続人全員で話し合って、実家を含む遺産をどのように引き継ぐかを決めます。これを遺産分割協議といいます。この協議によって確定的に遺産の所有者が決まります。そうすると、実家を引きついた人が所有者として管理責任を負い、共有状態が解消され他の相続人は責任から解放されます。
このような手順・仕組みになるので、相続が開始したら(亡くなったら)速やかに遺産分割協議をしたほうがよいでしょう。ここのポイントは、相続人全員で行うことです。全員参加・全員一致が原則です。
なお、そもそもプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎたくないという場合には、相続放棄をすることができます。相続放棄は受理されると初めから相続人ではなかったことになるので、遺産分割協議に参加しなくてよくなります。
相続放棄は、相続を知った時から3ケ月以内に家庭裁判所に申述(申立)することにより行います。
田 中 裕 志
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相続放棄を検討するときに注意すること(財産の処分)
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不動産の相続相談2021年01月16日家族が亡くなり、その方に借金がある場合や引き継ぎたくない不動産
があるときには、相続放棄を検討します。
相続放棄をするには、相続があったことを知った時から3ケ月以内に家庭裁判所に申述(申立)しなければなりません。ポイントは「3ケ月以内」と「家庭裁判所」です。3ケ月を過ぎてしまうと原則相続放棄できません。
相続放棄すると初めから相続人とならなかったことになります(民法939条)。亡くなった方のプラスの財産も借金などのマイナスの財産も引き継がなくなります。
ただし、3ケ月以内であっても相続放棄できなくなる場合あります。相続財産を「処分」した場合です。
たとえば
・不動産や動産の譲渡
・預貯金を解約・払い戻して自分のために使ってしまった
・遺産分割協議(相続人間で話し合って、財産の配分を決めること)
このような行為をしてしまうと、相続放棄ができなくなってしまいます。うっかりしてしまわないように注意が必要です。
場合によっては、例外的に相続放棄が受理される場合もありますので、専門家に相談するとよいと思います。
田 中 裕 志
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